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05月号 2009

■見逃せない唾液不足

~口の体操で回復を 歯周病防ぎ消化助ける!!~

 乾燥症(ドライマウス)で十分な唾液が出ない人が目立っている。専門家に対策などを聞いた。

 唾液の働きに詳しい鶴見大学歯学部付属病院(横浜市)の斉藤一郎院長は「唾液は単なる水分ではない。消化酵素や抗菌成分やミネラルが含まれた、いわば天然の殺菌洗浄剤だ」と説明する。皮膚や血管、神経などの傷を修復する成分である“成長因子”も含まれ、粘膜や血管の健康を保つ作用もあるという。
 大量に出された唾液は、口の中の細菌や汚れを洗い流し、口中を清潔に保つ。唾液が十分に出ていれば、高齢者に多い誤鴛えん性肺炎の原因である細菌も少なくすることができる。唾液が十分なら抗菌成分が歯周病や虫歯を防ぎ、唾液中のミネラルが歯を自然に修復する、さらに唾液は消化も助ける。アミノラーゼという酵素がでんぷんの消化を促す。

●ストレスで減少
 粘膜を保護する作用もある。唾液にはオクラなどに含まれるネバネバ物質のムチンという成分が入っている。「ムチンは食べ物を包み込みオブラートのように働く」と斉藤院長。
 このように健康の要となる唾液ではあるが、現在ではその量が減ってドライマウスを起こしている人が目立つ。会議などで緊張すると口が渇く経験をした人も多いはず。ストレスがかかると自律神経の中の交感神経が活発に働き始め、唾液の分泌量が減少するからだ。
 また加齢も唾液減少の要因で、二十代をピークに唾液分泌量が減ることがわかっている。特に女性の場合、更年期を迎えて女性ホルモンが減ると唾液の分泌量が減ってしまう。

 具体的には「乾いた食品を食べる時によく水が欲しくなる」「口の中がネバネバする」「会話中に口の中が乾いて話しにくい」「口臭が気になる」などの自覚症状があれば、既に唾液料が少なくなっている可能性があるので要注意だ。
 唾液料が適正かどうかを知りたいなら、ガムを十分間噛んだときに出てくる唾液を容器に集め、量を測る方法がある。
「十ミリリットル以下ならドライマウス。治療した方がいい」と斉藤院長。
 唾液料が少なくても、増やす方法はある。ポイントは唾液腺の刺激だ。唾液を分泌する唾液腺は、耳の下の耳した専腺や、あごの下の顎下腺、舌の付け根の舌下腺ばかりでなく、小さな腺が口の中のあらゆる所に散在している。斎藤院長は「唾液腺はすべて顔の筋肉に連動している。だから口や顔面の筋肉をよく動かすことが唾液料アップにつながる」と説明する。
 最も基本的な対策は「よくかむ」こと。現代人は、昭和初期に比べ一度の食事でかむ回数が半分以下に減ったという試算がある。それを補うには、一口あたり二十回かむよう心がけることが必要だ。

●表情豊かに話す
 その際の留意点は左右両側でかみ、唾液腺をまんべんなく刺激すること。表情豊かに話したり笑うことでも、顔の筋肉が動いて唾液腺を刺激できる。
 積極的に顔の筋肉を動かす「口腔トレーニング」も考案されている。「イー」「ウー」と言いながら口を大きく動かしたり、上唇の上部を膨らませたりすることで普段使わない筋肉を使い、唾液腺を刺激する。
 これは口腔筋機能療法という舌の動きや口呼吸などを矯正するためのトレーニングを基本とするもので、ドライマウスの治療で効果をあげている。斎藤院長は「表情筋が鍛えられ、顔が引き締まるアンチエイジング効果も期待できる」と一石二鳥を強調した。

~2月28日・日経新聞~

「歯磨き」の大切さについて、虫歯予防だけでなく、
健康管理の観点から取り組む栃木県日光市立猪倉小が、
08年度の県健康推進学校の最優秀校に選ばれた!

●学級閉鎖ゼロ
 「前歯をしっかり磨きましょう」。アニメの曲にかけ声を付けた学校独自の「歯磨きの歌」が、給食の終わった全教室に響く。1年生の児童27人は鏡を見ながら10分間、元気に歯を磨いていた。
 同小が歯磨きを重視するのは、塚田優美子養護教諭が2002年に着任したのがきっかけ。初任地の小学校が国の虫歯予防推進指定校で、児童はみな歯がきれいで、健康優良児だったという。その後は中学校の勤務が長く、小学教諭として約20年ぶりに同小に赴任した時、「歯磨きから心身の健康作りをしよう」と決めていたという。歴代校長を始め、多くの教諭が賛同し、学校を挙げた取り組みになった。歯磨きの楽しさを児童に伝えようと、06年にはマスコット「健康戦隊ミガクンジャー」を考案した。ポスターを教室や水飲み場などに張った。シールも作り、虫歯がない児童や、歯を治療した児童にプレゼントしている。4年生の赤羽孝太君が「シールが欲しいので、歯磨きを頑張っている」と話す。
 学校歯科医の柴田征紀歯科医師は、年2回全校検診で、児童たちを叱咤激励している。「歯がきれいな児童が多いのでうれしい。今後も歯磨き指導の協力を続けたい」と話す。
 歯磨きの成果は数字に表れている。08年度の同小6年生の虫歯本数(治療済みを含む)は1・3本。08年の学校保健統計調査では、6年生にあたる12歳の1人当たりの虫歯の本数は全国平均が1・54本だった。同小はこの4年間、インフルエンザによる学級閉鎖がない。大久保みどり校長は「歯磨きだけではないだろうが、取り組みの成果が着実に表れている」と胸を張る。日光市教委も、「養護教諭と校長、学校歯科医の3者が協力し合った結果」と評価する。

●各校の判断
 一方、県平均の12歳の1人あたり虫歯本数は1・8本と、全国平均よりも悪い。県教委は、同小を最優秀校に選んだことが示すように、健康管理の一つとして歯磨き習慣の重要性を広げたい考えだ。「口の健康は全身の健康へのパスポート」(県健康増進課)という。多くの小学校で歯磨きの大切さが教えられており、教室に歯ブラシを常備して給食や昼休みに児童が歯を磨いている。
 ただ、取り組みに濃淡が出るのは、担当養護教諭を中心とした学校側の熱意や、学校歯科医との協力体制に差が出るためとみられる。特に学校にとっては、児童の健康管理で取り組むべき課題は食育の推進や運動不足、肥満対策など幅広い。県教委も「すべてをやらせても、子どもたちには出来ない」という。学校での限られた時間のなかで、何を重視するのか、校長を中心に各学校の判断が問われることになりそうだ。

~2009年5月30日・読売新聞~